1945? Gibson L-50
Gibson社は普及品モデルのカーブドトップギターを作っている。
このL-50は戦後かなり最近まで単板削り出しトップを持つカーブドトップギターの廉価モデルとして、時代とともにレギュレーションを変えながら販売されていた。合板トップのL-48と共に入門用ギターとしてかなりの数が販売されたと考えられる。
正確なシリアルナンバーは不明ながら、オーナーの記憶では850番ということなので、調べるとA-850あたりなら1947年出荷だが、バナーロゴ付きシルクスクリーンスクリプトロゴは1942〜1946年の仕様であり、戦中に出荷された一台ということが分かる。1930年代後半のL-50はフラットバックだが、この時代からはアーチが付いており、鳴り方が典型的な16インチカーブドトップの音になっていると感じる。
L-50はもともと$50で販売されていた廉価ギターだが、高級モデルのボディが17インチ化していった1935年以降は、L-4と共に単板削り出しトップの16インチボディとして立ち位置が固まった。特に戦中と戦後すぐのL-50はL-4と意匠が違うだけで、マテリアルはほぼ同じように見え、音もそこそこ鳴るので、安いビンテージカーブドトップを欲しい人には魅力的な楽器だ。
- サンバーストの感じや塗料は戦前からのものを引き継いでいる。
- 1942~1946年の間だけ存在したバナー付きシルクスクリーン・スクリプト・ロゴ。 ペグは新しい3連クルーソンに交換してある。
- マホガニー製のネック。この時代のネックは丸くて細く分厚い。 サイドとバックはL-7なんかと同じ感じですが、廉価モデルなためか、2ピースのバックはブックマッチングされていない。
- この時代から指板付け根のエレベータ式は廃止されてボディにぺったりくっついている。 ブリッジは2弦位置が大きく下がったタイプになっている。テイルピースも廉価ギター標準のトラピーズ。
- 薄いハカランダ指板