以前ARCHTOP.COMで販売されていたものです。ARCHTOP.COMから写真を拝借しました。
シリアルが#91615ということですので1934年製ですが、この形のペグヘッドは1935年半ばから17インチギターに採用されて行きましたので、カスタム・モデル以前にプロトタイプでもあったのではないかと考えられます。
Carl Kressはギターのチューニングを6弦からBb-F-C-G-B-Dに調弦しています。低音4本はテナーバンジョーのC-G-D-Aの1音下、高音4本はプレクトラム・バンジョーのC-G-B-Dとユニゾンというわけで、バンジョー奏者出身であることが簡単に想像できます。かなりレアな調弦でメリットがあるのか無いのか分かりませんが、現在でもMarty Groszがこのチューニングでプレイしています。
バンジョー奏者出身であったのが理由かどうか分かりませんが、このギターの指板インレイはGibson MastertoneのNo.5(TB-5、RB-5、PB-5)と同じデザイン(ギターのL-12も同じだった)で、ペグヘッドのインレイはMastertoneがラインアップされる前のNo.5バンジョーのペグヘッドインレイと同じになっています。
- 一見、L-5には見えないデザイン。
- 裏から見ると正にL-5。
- Mastertone以前のNo.5バンジョーのペグヘッドインレイを転用している。ペグヘッド形状も1935年以降の17インチモデルに近い。
- 16インチL-12と同じMastertone No.5バンジョーの指板インレイを転用したピクチュアフレームインレイ。ピクチュアフレームインレイで有名な17インチL-7とは逆に、エボニー指板+ハカランダフレームとなっている。
- 参考:TrapdoorスタイルのTB-5バンジョーのペグヘッド。
- 参考:MastertoneバンジョーTB-5の指板