1937 Gibson L-7
長谷川光所有の17インチL-7。
1935年から始まったGibsonカーブドトップギターのニューラインアップでは、それまで16インチボディーで生産されていたいくつかのモデル(L-5 / L-7 / L-10 / L-12)が一回り大きい17インチボディのギターとして設計が変更になった。
1935〜38年のL-7はピクチャフレームと呼ばれる独特の指板インレイが特徴だ。ピクチャフレームインレイは、特注品などを除き、L-7の他に16インチ時代のL-12でしか見られない。Gibso社のNo.5のバンジョーのインレイにデザインが似ているが、L-7のファンシーインレイはバンジョーでは見られないオリジナルデザインだ。
- 入手前の写真なのでテイルピースがオリジナルではない。入手後、この時代のオリジナルテイルピースに換装した。
- 指板のエンドはこの時代のレギュレーションでエレベーティッドとなっている。これにより、ボディ上部の指板の高さが高くなりボディにピック傷がつきにくい。
- バックはメイプル単板削り出しだが、上位機種のようにサンバーストではなく、Gibson伝統のあずき色単色だ。
- バンジョーからの転用ではないオリジナルデザインのピクチャフレームインレイ。指板は上位機種で採用されているエボニーではなくローズウッド(ハカランダ)だがピクチャフレームの枠の中はエボニーという凝った意匠である。
- ネックはメイプル+エボニー+メイプルの3ピース。同じ時代の個体ではマホガニー1ピースのネックが付いている場合が多い。このあたりの仕様は要研究。
- 呼び方は分からないが、蕨型のペッグヘッドインレイ。16インチ時代のL-12や他のフラットトップギターにも見られる中価格帯ギターの意匠だ。 1937年のGibsonロゴは若干大きくなっている。
- オリジナルグローバーペグ。入手後に性能が良いGOTO製に換装した。コレクションではなく実際に演奏する楽器にはそれなりのペグが必要だ。