1935 Gibson L-50
Gibson社は普及品モデルのカーブドトップギターを作っている。
このL-50は戦後かなり最近まで単板削り出しトップを持つカーブドトップギターの廉価モデルとして、時代とともにレギュレーションを変えながら販売されていた。合板トップのL-48と共に入門用ギターとしてかなりの数が販売されたと考えられる。
この1935年以前はもっと小さいボディサイズのギター、あるいは丸穴のギターとして販売されており、Gibson社のギターラインアップの変更によるものと思われるが、1935年、それまでのL-7やL-10の後継に位置するような扱いとなり、16インチボディのカーブドトップモデルとなった。しかしながら、16インチボディの廉価モデルとして、バックにはアーチを付けられずにフラットバックという面白い仕様となっている。これはL-30等にも見られる廉価版仕様だ。
有名なES-150というGibson社初の電気ギターはこのL-50を元に開発されたようで、指板バインディングの有無以外はフラットバックに至るまでまったく同じだ。
16インチ普及品ギターとして長い歴史を持つL-50の最初のモデルがこの楽器で、オーナーにより、ネジからケースに至るまでフルオリジナルな状態で動態保存されている。
- エクセレント・コンディション並に綺麗にレストアされている。
- 1937年までのL-50のバックはアーチが付いておらずフラットバックだ。
- プラノブ付きのオリジナルGlover
- 廉価モデルでもエレベーティッド・フィンガーボードになっている。
- ピックガードの欠損部を似た材料で綺麗に補填してある。
- ブリッジ、テイルピースはオリジナル・パーツ。後のL-50ともっとも違う部分だ。
- この時代の普及モデル用オリジナルケース。赤い縫い取りが入っていることから、俗にレッドライン・ケースとも呼ばれる。